吉川:おはようございます!今日もハカセの相談部屋始まりました。
ミマキ:宜しくおねがいします!
吉川:では早速、今日のお題をお願いします。
ミマキ:今日はですね、親がつい子供に言ってしまう「ちゃんと」「しっかり」の落とし穴っていうテーマでいきます。
吉川:なるほど、子供に「ちゃんとしなさい!」とか「しっかりやりなさい!」っていう、アレですね。興味深いですねぇ(笑)なぜ今回はこのテーマに?
ミマキ:最近、会社のサービスを受けているママ・主婦をやってる方と話をするんですけど。
吉川:えぇ。
ミマキ:いい疑問というか「そりゃそうだよね」って思う内容を言ってくれた方がいまして。
吉川:ほう。それはどんな内容ですか?
ミマキ:朝の準備の時こどもに「ちゃんと準備しなさい!」って言ったんですって。それを言った後に「おや?ちゃんと準備しなさいって何?」って疑問を持ったんですって。
吉川:ほほ〜
ミマキ:その話を私が聞いて、あるあるだなぁと思ってネタにしようと思ったんです。
吉川:なるほど。
親の伝えたいことは子どもに伝わっていない?!
ミマキ:「ちゃんと」とか「しっかり」とは何か?なんて考えないと思うんですよね。
吉川:ええ、考えませんね(笑)
ミマキ:つまりこれって、子供には親のイメージする「ちゃんと」とか「しっかり」というのが伝わっている。という思い込みが親にあるんですよね。
吉川:あ〜確かに。伝わると思って言っていると思います。
ミマキ:そうですよね。でもそこに落とし穴があって。「ちゃんと」とか「しっかり」とかってすごい曖昧で便利な言葉なんです。
吉川:よく使いますけど伝わってないんですね。
ミマキ:加えて、「どういう風にやったら“ちゃんと”なのか」「どういうふうにやったら“しっかり”なのか」っていうイメージが人によって違うと思うんですけど、特に子供はイメージが一緒だって思うから、伝わるって思ってやっていますよね。でも子供からしたら、「お母さんやったってどうせ怒るじゃん」とかいいますよね(笑)
吉川:うちの子は「早くして!」「しっかりやって!」と言うと「ちょっとまって!」といいます(笑)あとは「早くやりなさい」というと「早くはできない!」といいます。早くやることが重要ではないんですけどねぇ(笑)
ミマキ:(笑)子供からの反応が、自分の意図とは違う反応が返ってくると「なんでできないの!」とか言いたくなりますが、子供にとっては「ちゃんと、とか、しっかりってわかんないし」って言いますよね。
「ちゃんと」「しっかり」はこんなにもズレる
吉川:それ、私の以前の職場の先輩の方のお子さんも同じ例があって。
ミマキ:おお。
吉川:その方も研修講師などをやっているんですが、家に帰ってきたときに玄関前にランドセルとその中身が散らかっていたんですよ。
ミマキ:うんうん。
吉川:末っ子の女の子らしいんですけど、その子に「玄関のカバンちゃんと片付けなさい!」っていうふうに言ったらしいんですよ。
ミマキ:ふんふん。
吉川:そしたら、玄関に置いてあるカバンを、しっかり閉じて、玄関のど真ん中にキレイに揃えて、置いたらしいですね(笑)
ミマキ:(爆笑)そういうことなんですよ!子供が受け取った「ちゃんと」は玄関のど真ん中にキレイに揃えて置くという事だったんですね。
吉川:そうですそうです(笑)その先輩も、これは伝わってないということに気づいて、こちらの伝え方が悪かったんだなって言う事を、よく研修の事例で伝えていますね。
ミマキ:そこで「伝え方が悪かった」って思えるのか「やらない子供が悪い」と思うのかで、コミニケーションずいぶん変わってきますね。多くの方は、今回の例でもう一回怒るでしょうね。「ふざけないでよ!」とか「ちゃんと片付けろって言ったでしょ!」とか。
吉川:これ、もっとも流行ってる話し言葉でしょうね。「ちゃんとしっかりやりなさい!なんでできないの!」っていう前後の脈絡ね(笑)
ミマキ:子供からみると、「お母さんの“ちゃんと”もわかんないし、“しっかり”もわかんないし、自分なりに頑張ろうとしても、また怒られるじゃん」って思っていると思いますね〜。
吉川:本当そうですね。
どちらが悪いわけでもなく、確認不足なだけ
ミマキ:これって、どちらが悪いというワケではなく、確認不足というか、「伝わってない」って思えないんですよね。それは、自分の正しさというか、「自分の思っていることを相手も思っているだろう」って人間は無意識的に思っていますので、それが親子関係や夫婦関係で色濃く出るところではあるので、出ちゃいますよね。
吉川:やっちゃいますね〜「分かってくれるだろう前提」半端ないですよ。思い当たる節がたくさんありますね。
ミマキ:一日一個でもいいから、気をつけて直したりとか、振り返ったりすると、相当コミュニケーション変わりますよ!
吉川:あ、私その流れで困っていることあるので、相談してもいいですか?
ミマキ:どうぞどうぞ。
吉川:うちの長女が、家に帰ってくると必ず玄関の靴を脱ぎっぱなしにするんですよ。それで、「毎日片付けなさい」って言っても一向に片付けるようにならないんですね。これはどうコミュニケーションを取ればいいんですかね?
ミマキ:(笑)これって靴箱に入れれば片付いたということですかね?
吉川:そうですね。
ミマキ:そしたら言い方を変えるのはどうですか?「片付ける」ってイメージも広いので「靴箱に入れて」って言うとか。
吉川:あーなるほど。
ミマキ:例えば靴箱にお嬢さんの名前を書いて「あなたのしまう所ココだから、ココにしまってね」って場所を指定するですとか。
吉川:さっきのランドセルの事例と同じですね。
ミマキ:「片付けるのはここだよ」っていうのがわかれば、できると思います。例えばお嬢さんの「片付け」のイメージが「またできずに怒られる」とか「ここじゃない!と、やり方を注意されると、やりたくなくなっちゃってる」って言う可能性もあるので。
吉川:確かに。
ミマキ:その場合は、学校の下駄箱みたいに指定するとか。あとは女の子だから靴箱を少し可愛くして、少しでも片付けたいと思わせるように工夫するとかも良いかもしれませんね。
吉川:大体それも連鎖していくんですよ。玄関に靴が脱ぎ捨ててあり、ソファーの近くに靴下が脱ぎ捨ててあり、、、みたいな。それをたどっていくと娘にたどり着くみたいなルートになっているんですよ。一個一個「片付けなさい」って自分も言っているなぁと思いましたね。
ミマキ:やっちゃいますよね(笑)
吉川:確かに、「これはここに片付ける」って、もうわかってるよね、みたいな前提はありますね。
ミマキ:例えば靴と靴下を片付ける場所って違うじゃないですか?でもトンチのきく子は、一緒にまとめたいから一箇所に置いたりするかもしれないですしね。片付けるって一個とっても、靴・靴下・服・本・おもちゃ・食器など。場所も違うのに「片付けなさい」って一括りに言っちゃうじゃないですか。
吉川:そうですね。「全部片付けなさい!」って言っちゃいます(笑)時間軸もありますよね。「いつまでにやりなさい」とかも言えればいいんですけど「今すぐやりなさい!」しか言えないですね〜。
ミマキ:(笑)最初は面倒だと思うんですけど、初めは一言一言細かく伝えるくらいがちょうどいいと思います。それは、押し付けるとかというよりは、「親にとっての片付けるはこうだ」ということを伝えることですね。まぁ、それが嫌だと言われたら、なんで嫌なのか考えないといけないですけどね。
「親の理由」で判断する瞬間をつかまえる
吉川:あーなるほど。例えば子供が片付けを「やる・やらない」の前提を置いておいて、なぜ嫌なのかを考えないとですよね。
ミマキ:そうですね。子供にはやらない理由があるんですけど、その理由が親は見れないんですよね。「やらないといけない」とか、親の理由で子供を判断しちゃうので。
吉川:そうですよね〜
ミマキ:そこは聞いてあげないと、大きくなってからが大変ですよ!
吉川:いやぁ、どんどんこじらせていきますもんね。「ちゃんとやりなさい」→「なんでやらないの!」→「この子はやらない子だから次はこう言ってやろう」って意固地になっていくというか(笑)
ミマキ:子供は柔軟ですから、コミュニケーションが変わったら普通にやるんですよ。親が頑なだから、子供も固くなるだけです。そういった柔軟性が抜群にあるので。
吉川:なるほど・・
ミマキ:親が柔らかくなれば子供も柔らかくなりますね。
吉川:まずは、自分自身を柔らかくするところからですね。そのためにも、「こっちが伝えてる事は伝わってないのを無自覚でいる事が問題だよ」って認識できるようになると、「今度じゃあどう伝えよう?」っていうことを考えられますよね。
ミマキ:そうですね。「おや、言っていること伝わっていないかもしれない!」ということを自覚することがファーストステップですね。
吉川:大体伝わってないですね(笑)
ミマキ:ですね〜
吉川:「一緒に暮らしているんだから分かるでしょ」とか「何回言っているから分かるでしょ」というふうに、分かっている前提で進めたくなっちゃいますね。
ミマキ:そうですよね。
吉川:なるほど。まずは、「伝わってない」ところの自覚から始めるのが良さそうですね。
ミマキ:そうですね。あともう答えられる年齢のお子さんなら、確認しちゃってもいいですよね。
吉川:例えば「パパは“ちゃんとやってほしい”って言ったんだけど、あなたは“ちゃんと”ってどう受け取ったの?」みたいな感じですかね。
ミマキ:そうです。ズレを修正する方法はいくらでもありますからね。ただズレてるって認識できない限りは、修正できないんで。
吉川:イラつくだけですね(笑)
ミマキ:イライラしているときは、子供に対して伝わっていると思い込んでいるんだと思います。でも、ほぼ伝わってないと思いますね〜
吉川:なるほど。ちょっと振り返ってみたいと思いました。
ミマキ:ぜひ。一日一個でも。
吉川:はい、今日から1つチャレンジしてみたいと思います。では、今日はこの辺で終了したいと思います。ありがとうございました!
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